女性マーケター養成講座 導入企業事例
株式会社マルヨシセンター

四国を中心に35店舗を展開するスーパー「マルヨシセンター」は、女性スタッフによる販促活動を展開し実績を積み重ねています。マルヨシセンターが全社的な取り組みとして、販促活動の中に女性視点を取り入れるようになったのは、大西洋子さん(販売促進部 店内販促セクション)が、2010年9月に女ゴコロマーケティング研究所主催の「女性マーケター養成講座」に参加したのがきっかけでした。一人の女性からどのようなムーブメントが起こっていったのかご紹介をしたいと思います。

株式会社マルヨシセンター 企業概要
創業:1961(昭和36)年
売上高:397億円(2021年)
店舗数:35店舗
本部:〒769-0198
香川県高松市国分寺町国分367-1
マルヨシセンター松縄店

1. 女性マーケター養成講座に参加されたきっかけは何ですか?

当時の上司から勧められたのがきっかけです。スーパーマーケットのお客様のほとんどは女性。本当は上司(男性)が参加したかったらしいのですが、女性限定だったため私が行かせていただくことになりました。実は、入社以来、「自分の気持ちや感じた事」と「仕事」は別物だと思っていました。しかし、このセミナーのサブタイトルには「女性ならではの感性や感覚、経験を活かす」というようなことが書いてあり、直感で「おもしろそう!」と思いました。


販売促進部 店内販促セクション
大西 洋子さん
※所属・肩書きは取材当時のものです。

2. 実際に受講されてどうでしたか?

まず、とても楽しかったです。グループでアイデアを出して商品開発企画をしたり、プレゼンをしたり、いきいきした女性に囲まれてセミナーを受けることができ、たくさん刺激を受けました。

「女ゴコロをつかむ8つのキーワード」これは本当に共感しました!また、自分が日頃、お客さんとして感じた事、不満、要望がビジネスになるんだという発見は目からウロコで、その後、日常生活の中で、「コレいいな~」「私もコレ買おうっと」と感じた瞬間を大切にし、いつ、どんなシチュエーションで、なぜそう思ったのか考えるようになりました。

クチコミされる会社になるための考え方や手法も学び、私の会社をもっとクチコミしてもらえる会社にしたいと思いました。私たちの会社の女性従業員は主婦を中心としたパート社員を含め約1700人!これはすごい宝です。お客様も主婦の方が多いので、社員の声を集め、社員が応援し、クチコミしたくなる店づくり、会社にすれば、お客様のココロもつかめると思いました


女性マーケター養成講座の様子

3. 受講後、社内で取り組まれたことはどんなことでしたか?

すでに数名いた店舗で活躍している女性従業員とコミュニケーションをとり、彼女たちの作成した販促物やお客様へのサービスで喜ばれたことをHPで公開するなど、個人あるいは個店単位の取り組みを全店に知ってもらう工夫をしました。


可能な限り店舗を巡回し、現場から得た情報を全店に発信するのが大西さんのミッション。

また、店舗で簡単に女性のココロをつかむPOPが制作できる環境づくりを行いました。例えば、女性誌などを参考にしながら、「断然ほめられメニュー」「時短クッキング」などをPOPのタイトルにつけ、デザインや色使いも女性が好み、目を引くようなものとし、各店がダウンロードして使えるようにしました。


バレンタインデーはメーカーも巻き込みお客様の興味・共感・感動を引き出す「コトPOP」を展開。

可能な限り店舗を巡回し、現場から得た情報を全店に発信するのが大西さんのミッション。
今では、「こんなことしたい!」と声の上がった店舗に出向き、他店の取り組みや成功事例を共有しながらアドバイスをし、そこでの成功事例をまた全店に共有する「ミツバチ」のような役割を果たしています。


実際にスタッフが自宅で調理し、その実体感やつくり方を食材とともにレシピ提案。

4. 今後の抱負を教えてください

当初から現場で活躍してくれていた女性の他にも、女性の感性を生かして頑張っている人たちが少しずつ増えてきていますので、さらに彼女たちのサポートをしていきたい。

「こんな販促用品があるといいな」「こんなご案内をすればお客さまに喜ばれるかも」など、お話をするだけでいろんなアイデアをもらえるので、社内の生の声を出来るだけ汲み取り、より良い売場づくりのお手伝いをしていきたいと思います。

5. 最後に、女性視点の取り組み、女性活用を考えている企業へのメッセージをお願いします

男性からすると女性の感じ方や、喜ぶポイントが男性とは違うので理解できない点が多いと思います。中には、女性の意見を取り入れてもすぐに売上が上がる、1週間でお客様が増えるといった即効性のある効果は期待ができないこともあると思います。

しかし、女性だからこそ気づく細やかな心遣いや、生活に密着したリアルな提案、サービスはじっくり、深くお客様のココロをつかみ、信頼関係やこの店でなくてはならないという熱烈なファンづくりに必ず貢献すると思います。 こんなことができるのも店長や男性社員の協力、理解があってこそ。女性視点の取り組みを成功させるためには、社内の様々な役割の人たちとの共創関係を築くことが理想的だと思います。

講師「木田理恵」より

大西さんは、女性マーケター養成講座の受講中もとても熱心で、積極的に他の受講生の話を聞いたり、休憩時間を利用して講師に質問をしたり、会社の代表として少しでも何かを得て、持ち帰ろうという姿勢がすばらしかったです。2年後、マルヨシセンター様がオール日本スーパーマーケット協会主催のセミナーで事例発表をするので基調講演をして欲しいとご依頼を受け、このようなすばらしい取り組みの全容を知ることになったのですが、「よくここまで!」という気持ちでいっぱいになり、とても感動しました。

マルヨシセンター様の成功は、大西さん一人が頑張った結果ではありません。 現場でコツコツと頑張っていた数名の女性(なんと肩書はレジチーフ)、彼女たちのアイデア、取り組みを受け入れ、好きなように活躍の場を与えた現場の店長。いち早く、女性視点の取り組みの必要性に気づき、現場での活動や女性リーダー(大西さん)を支援し、動きやすい環境を整えた本部の男性管理職の存在。そのすべての歯車が噛み合って、このような取り組みの輪が広がっていったのだと思います。私は、業種が違っても、この成功の要因はすべての企業に当てはまるのではないかと思います。

講師プロフィール


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